以前、「最小錯乱円」に関して中途半端に書き込んでいたので、この辺りで少しまとめてみたいと思います。
ただし、この書き込みはあくまでも自分の理解として、ということをご了承ください。
※事実と違う可能性もありますので。
まず、レンズの設計指標のひとつとして「最小錯乱円」と言うものがあります。
これは理論上の点(本来面積はありません)が、結像面上でどの程度ボケてもいいかという指標です。(この場合「許容錯乱円」と呼ぶ場合もあります)
フィルムカメラを例にすると、点がフィルム面上で直径33μmまでボケてもいいとしていたと思います。(カメラメーカーによって多少異なるのでしょうが、概ねこの数字だったと思います)
これは、新聞紙を30Cm離れたところから写真に写した時、現像して字が読める限界の値・・・だったかな??(この辺り、すごく怪しいです)
ですから、フィルムカメラ用レンズの最小錯乱円は概ね33μm辺りだと思います。
※これは組立て誤差、各収差なども含んでいます。
ところがデジタルカメラの場合、最小錯乱円が画素ピッチより大きいと、(拡大した時に)画像がボケて見えるので、最小錯乱円は画素ピッチとしているところが多いと思います。
ここが厳しいところで、最近使っているNikon1でも画素ピッチは3.4μmです。
フィルムカメラ用レンズの約1/10の高い精度が要求されていることになります。
ですから、本来フィルムカメラ用レンズはデジタルカメラでは使えない(拡大するとボケている)のです。
※しかし全く使えない訳ではなく、それが逆にレンズの「味付け」として好まれていることも事実です。
レンズの性能は既に限界に近いため、一般的には4μmまでしか解像できないだろうと言われています。(いや、言われていたと思います)
では、もっと小さな画素ピッチの、例えばスマホのカメラなどはどうしているのでしょうか?
おそらく、輪郭強調などの画像処理を行って解像感を上げているのだと思います(この辺り、推測です)。
また、ベイヤー配列などのカラーフィルターを各画素に入れている場合は(殆どのデジカメがそうですが)、画素間で補間処理をするので最小錯乱円は画素ピッチ x 2まで許容できるという説もあります。
そうなると、かなり現実的な値(許容値)になってきますが・・・。
さて、最近ミラーレスという言葉がカメラ業界を騒がせていますが、このミラーとは、一眼レフのミラーボックスを指します。
実は、結像面(フィルムやイメージセンサー)とレンズの間にこのミラーボックスが有る事で、レンズ設計は大きな制約を受けています。
このミラーボックスさえ無くなれば・・・、と思っていたレンズ設計者は多いと思います。
コンパクトデジタルカメラ(いわゆるコンデジ)は、言って見ればレンズ交換のできないミラーレスカメラですから、レンズの設計自由度も高くなります。この場合は、この自由度を小型化に向けていると思います。
レンズ交換式のミラーレスカメラに搭載するレンズは、設計自由度が高くなった分、今後もっと高性能で小型のものが出て来ると思います。
・・・なんか、まだ中途半端な感じですが。
気が向いたら、また書き込みたいと思います。
(追記)
LPFやナイキスト周波数の話を盛り込むの忘れていました・・・orz
そのうち書き込みます。